独身女のマンション購入備忘録(前編) 35歳で中古マンションを衝動買いする

住まい

全ての人にとって住宅の購入は人生の中で最も大きな買い物になるのではないでしょうか。
独身女性ならなおさら、頑張って働いて手に入れた大切なお金をたくさん使うのだから、失敗したくないですよね!
この記事では、実際に30代でマンションを購入し、40代でマンションを売却した私の体験について話してみます。マンションの購入までの前編です。

独身女性がマンションを買うってどうなの?

独身女性を取り巻く状況


2015年の国勢調査によると、30歳~39歳の女性の未婚率を平均すると約29%。女性の生涯未婚率も2030年には19%になるという予測も出ています。
おひとりさまの女性は決して少数派ではないのです。
けれども、30代ともなれば、周りの友だちが結婚して子どもを産んだり、マイホームを購入していく状況でもあるでしょう。
仕事の面では、20代とは違って、担当以外の業務全体も見渡すことができ始めて、バリバリ働いている頃。子どもを持つ同僚のフォローなんかも積極的にやってあげていることだと思います。
一方で、内心は将来への不安や、仕事のストレスを抱えてお酒や買い物で発散!なんてこともあったり・・・、私がそうでした。

賃貸マンションへの不満


社会人になりたての頃は、一人暮らしはみんなワンルーム賃貸などでしたが、30代ともなると、結婚した友だちが3LDKのマンションを買ったり、一軒家を買ったりして、「わぁ、いいなぁ」なんて思って、少し広い賃貸に引っ越したりしていることもあるかもしれませんね。
おひとりさまの場合、月の賃料は都市部だったり、高年収とかでなければ10万円以下の物件になることが多いと思います。
そうすると、セキュリティに不安があったり、キッチンやお風呂が狭かったり、上の階に住む人の足音がめっちゃ聞こえる!とか、広さを優先して築年数が経った物件だったり、ペットの飼育が不可だったりと、何かしら不満を持ちながら生活している人も多いと思います。

老後の不安


老後2000万円問題とか聞くと、とても不安になります。年齢別の貯蓄額の平均や、老後に必要な資金をネットで調べると、いろんな情報を目にして、自分の場合は大丈夫なのかといっそう不安になります。でも、今から老後のために生きるような人生は残念ですよね。
老後のための備えを始めつつ、自分の人生を充実したものになるように、キャリアアップや生活の質の向上も大切です。
結婚については、「今後結婚するかもしれないし、しないかもしれないし」って人が多いのでは。「私は一生結婚しません!」と思っている人もいる。でも、人生何があるか分かりません。
毎月何万円も賃料を払って、更新料を払ってというのを繰り返していると、「これって、家を買ってローンを払うのと変わらないんじゃない?買っちゃえばローンを払い終えたら自分のものになるよね。老後も安心かも」と思ったりします。
高齢者の一人暮らしは賃貸契約をしにくくなるという話を聞いたりもしますよね。
親の家を引き継ぐことが決まっているなどの状況ではない人は、家を買うか、賃貸か、ということを考えることはいたって普通で、それは独身女性であっても同じです。
ですので、独身女性でもマンションを買うという選択肢について検討して、実行することは「アリ」だと私は考えます。

私がマンションを買おうと思ったきっかけ


私がマンションを買おうと思ったきっかけは、一番大きいのは仕事のストレスです。
その頃の職場は、チームリーダーが欝病でほぼ不在、他には働かないおばさん、おじさんがいて、ほとんど一人で係の業務を担っていました。それなのに他の人に比べて極端に安い給料であることや、業務の改善などを提案しても全く聞き入れられない体質だったりと、やる気をくじく状況で、毎晩のアルコールでストレス発散して寝て、起きて仕事行くみたいな毎日でした。
私は若い頃から結婚願望があまり無く、自分は一生働いて自分の食べていく分は稼いでいくって決めていました。
なので、「働くモチベーションを高めるためにも、いっちょ高い買い物してやろうか」ぐらいのホントに安易な思い付きでした。
中古マンションの物件を内覧した際に、年収(当時約460万円)や職業を不動産屋さんに話したら「充分買えますよ」と聞いて「私でも買えるんだ!」とその気になって、いわゆる衝動買いです。マンションを買ったのは35歳の時で、2LDKで2,500万円の物件でした。
今から考えたら突っ込みどころ満載ですね(笑)
本来は、自分の人生設計についてや、自分が何を大切にして生きていきたいのかをしっかり考えて決めていくべきだと思います。

マンション購入を失敗しないために

新築マンションか中古マンションか


最新の設備やピカピカのフローリングやお風呂。全てがまっさらの新築マンション、広告や宣伝で目にすることも多くとても魅力的に見えますが、マンション購入の本やネットでの情報をいくつか読むと、すぐに、新築マンションを買うデメリットとして、割高で、購入後すぐに価格が下がることが多いということがわかります。
それでも新築マンションでなければ嫌!という人は、信念を持って買えばよいと思います(笑)。
ですが、終の棲家ではなく、途中で売る可能性があるならば、新築マンションの場合、都心の駅近など、価格が下がりにくい条件のマンションを探さなければ、買った価格より販売価格が低くなる可能性が高いです。
ただし、そういう値下がりしにくい条件の新築マンションは初めから値段がかなり高いと思われます。
私は、それほど築年数が経っていない中古マンションの方が、値崩れしにくい物件を探す難易度、購入コストも低く、おひとりさまに合っていると考えます。

立地


独身でマンションを買ったりすると、周りの人から「あぁ、あの人、もう結婚するつもりは無いのね」と思われたりするかもしれませんが、人生何が起きるか分かりません。結婚だけでなく、転職などで、将来、マンションを売る可能性を考えると、売るときに値崩れしにくい、駅近で交通の利便性が高い物件を選んでおくとよいと思います。

間取り


せっかくマンションを買うのだから、ワンルームはちょっと寂しいと私は思いました。それに、探しているとワンルームの物件は投資対象(買って誰かに貸す)のものが多い印象でした。
ですが、ファミリー向けの3LDKは広すぎるし、価格も高すぎる。
ですので、DINKS向けとして広告が打ってある1LDKとか2DK、2LDKなんかを探していましたが、ファミリー向けの物件に比べて、数は少ないです。
また、注意すべきなのが住宅ローン減税が2021年の税制改正により改正前は「延床面積が50平方メートル以上」の住宅が控除の対象となっていましたが、延床面積の要件が変更され、「延床面積が40平方メートル以上」に緩和されました。これはおひとりさまにとって朗報です。

物件選びで大切なこと

いくらのマンションを買うか

インターネットで物件を探していると、返済シミュレーションなどができて、「あら、今払っている家賃と同じくらいの毎月の返済額でこんな物件に住めるんだ!」と思いがちですが、注意が必要です。
住宅購入時には住宅の価格以外に様々な諸費用がかかります。
また中古マンションを買う場合、リノベーションしたいということもあるかと思いますので、その予算も考えておく必要があります。
また、毎月のローンの返済と同時に修繕積立金や管理費、毎年の固定資産税など、予想していなかった経費が結構掛かってきますので、無理のない予算を立てることが大変重要です。
また、ローンを組む年齢によって、35年ローンとかで組むと定年退職の年齢を超えても返済が続きます。果たしてそれは現実的な話なのか、よく考える必要があります。
ボーナスありきで考えるのも危険です。ボーナスは繰り上げ返済に使うくらいで毎月の給料から無理なく返済できる額を予算とすることが大切です。

ネットで物件探し

初めはネットで物件を探す人がほとんどだと思います。
新築マンションの場合は、まだ建っていないことが多いのでモデルルームや間取りを見て確認することになります。
中古マンションの場合は、ネットを見ていると、間取りや外観だけでなく、内観が見られるものと内観が見られないものがあることに気づくと思います。まだ売主が住んでいる場合、内観写真を載せないことがありますので、買う側にとっては分かりにくい物件となります。
価格だけでなく、築年数、駅からの近さ、スーパーなどの利便性、周辺の生活環境、騒音や耐久性を重視する人は鉄筋コンクリート造(RC造)であるか、建築基準法改正後の1981年以降の物件であるかなどチェックポイントを抑えて見ていきましょう。

不動産会社とのやり取り

ネットでいくつか候補が見つかったら、不動産会社に内覧を申し込むことになります。
不動産会社もいろいろです。私は全くの素人でしたので、内覧しながらいろいろ教えてもらえて有難かったです。
でも、買うことを急がせようとする人もいますので要注意です。担当者の人が良さそうだからといって「この人から買おう」とか家電を買うように情に流されたりしてはいけません(笑)。
一生を左右するような大きな買い物ですから、情報は得ながら最終的に決めるのは自分です。慎重に考えましょう。

内覧、周りの環境把握はしっかり

内覧では、室内の状況や設備についてしっかり見ていくことが必要です。
不動産会社がいろいろ案内してくれると思いますが、自分なりのチェックポイントも抑えて見ていきましょう。日当たりのよさが大事という人は、日没後に見てしまうと分かりませんので、日中に時間を設定するなど気を付けましょう。
中古マンションでまだ中に人が住んでいる場合、クローゼットを開けたりとかできないですよね(笑)。
気を使いますが、売主さんが立ち会っている場合は、質問できることはメリットなので、いろいろ聞いてみましょう。
また、リフォームをすることを決めている人は、壁紙が汚れているとか、トイレやキッチンが古いとかはあまり重要ではありません。見るポイントが変わってきます。
また、室内だけでなく、マンション全体の管理状況なども要チェックです。共有部分の掃除が行き届いているか。駐輪場の状況はどうか、宅配ロッカーはあるのか、ゴミはいつでも出せるのか、戸数が多い場合、エレベーターの数などもきちんと見ておきましょう。
また、マンションの周辺環境もしっかり見ておきましょう。騒音、治安、スーパー、コンビニの場所なども。できれば時間帯を変えて何度か見れると良いですね。

管理状態、修繕積立金や管理費など


マンションの価値が下がらない物件というのは、管理状態がしっかりしているものになります。
管理人さんが常駐なのか巡回なのかによっても変わってきます。
また、マンションの管理組合がしっかり機能していることも重要です。
中古物件の場合、入ってみないと分からない部分もありますが、過去の大規模修繕の履歴や、修繕積立金がちゃんと溜まっているかということも建物の長寿命化にとって大切なことです。
築年数が経っていくほど、修繕積立金や管理費が高くなる傾向があります。ローンに加えて、これらの毎月の出費が加わるとかなりの負担ですので、しっかりチェックしていきましょう。

売主との交渉

いくつか物件の候補があったら「この物件がもうちょっと安かったら決めるのにな」という時があります。売主に価格の交渉をすることは可能です。
売主側も事情があって早く売りたい人や、時間がかかっても希望の価格で売りたい人など様々です。
ネットでずっと見ていると価格を何回か下げて出している状況なんかもわかってきます。
私の場合、いくつかの物件で迷っていたら、1つの物件の不動産会社から、「ぶっちゃけ、いくらだったら買いますか?」と電話がかかってきました。
その時、2700万円で売りに出されていたのですが、私の予算としては2500万円までの物件が対象でした。その物件はすごく気に入っていたのですが、予算オーバーだったので、諦める方向で考えていたものでした。
そこで、「2500万円だったら買います」と言ったところ、売主さんがその値段に下げてくれました。
売主さんは私より年上の独身女性でしたが、結婚が決まって東京へ出るため、売るのを急いでいたのです。私にとってはラッキーでした。
実は、このマンションを数年後に私は売るのですが、やはり、買い手の方と価格交渉をして、販売価格を下げた経験もあります。
交渉する価値はありますので、臆せず価格交渉してみましょう。

住宅ローン

住宅ローン控除

間取りの項目で話題に出しましたが、ほとんどの人が住宅ローンを組むことになるかと思います。
住宅ローン控除は、住宅を取得してから10年間、税金に関する控除(毎年末のローン残高の1%)を受けられるという制度です。忘れずに申請したいですよね。
2019年10月の消費増税にあわせて、控除期間を13年間に延ばす特例が始まり、さらに新型コロナウイルス禍による経済対策で、10年間の控除がプラス3年延長されました。控除を受けるための入居期限が22年末まで延長(契約期限は分譲住宅は11月末まで)されました。
住宅ローン控除は、令和3年度の税制改正で、従来に加えて住宅の床面積を40平米以上に緩和し、その条件として前年の所得額が1000万円以下とされました。
住宅ローン減税を利用するには、初年度は確定申告が必要です。確定申告書に必要事項を記入し、本人確認書類や不動産売買契約書、借入先の金融機関から送付される年末残高証明書などを添付して管轄の税務署に提出します。2年目以降については、会社員など給与所得者は、年末残高証明書を勤務先に出して年末調整で還付される仕組みです。忘れずに必ず申請しましょう。

変動金利か固定金利か

住宅ローンを組むと、利息と元金を合わせた額を毎月返済していくことになります。
この利息の付き方には2種類あって、金利がずっと同じの固定金利型と、その時々の経済状況で金利が変わる変動金利型の2種類です。
固定金利は、将来どんな経済状況になっても返済額は変わらず、金利上昇の恐れが無く、返済計画を立てやすいというメリットがあります
ですが、変動金利に比べて金利が高くなる傾向があります。
それぞれ一長一短があるため、特に初めて住宅ローンを組む人にとっては、「うーん、わけわからん!どっちがいいの?」難しく感じると思いますが、低金利が長引く今では、住宅ローンの金利タイプを変動型で選ぶ人が過半数となっているそうです。
私がローンを組んだのは、2010年10月で、今ほど金利は低くありませんでしたが、それでも固定金利よりずいぶん安かったので変動金利を選びました。
また、金利の額は、各金融機関によって基準金利(店頭金利)から、いくつかの条件を満たしている場合はさらに低くなる適用金利(引き下げ金利)があります。これは審査を受けて「あなたの場合はこの金利で借りられますよ」と提示を受けるものです。

元利均等返済と元金均等返済

続いても住宅ローン関連の言葉が出てきました。もう嫌になってきますよね(笑)。
でも、大事なことなのでしっかり検討しましょう。
住宅ローンを返済していくときに、この元利均等返済と元金均等返済のどちらかを選択することになります。
元利均等返済は、返済当初から最後まで月々の返済額が一定となるため、将来にわたっての返済計画が立てやすくなります。ローン返済当初の返済額を抑えたい人向けです。こちらを選択する人の方が多く、対応している金融機関も多いです。
元金均等返済は、利息分を初めに多めに払う返済方法です。元利均等返済と比べて総返済額が少なくなるというメリットがあります。

頭金はどのくらい必要か

頭金があれば、借入額が減りますし、あるに越したことはありません。
でも、頭金が溜まるのを待っていると、どんどんマンション購入のタイミングが遠ざかっていきますよね(笑)。
実際、私も頭金は200万円しかありませんでした。
マンションを買う時には必要な経費が結構あります。私は中古マンションを購入したので、フローリングや壁紙のリフォームもしましたので、そのお金も置いておきたかったですし、生活防衛費として、200万円くらいは手元に残しておきたかったのです。
ネットや本の情報を見ていると、頭金の必要性についていろいろ書いてありますが、フルローンで買う人も結構います。
住宅ローン減税の期限や、定年退職までに返済を終わらせるなら早く買ってしまいたいなど、メリットとデメリット、タイミングを見計らって「えいやっ」と踏み出すことも必要かと思います。

さて、大変長くなりましたが、前編はここまでです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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